人の命に限りがある以上、どなたのご家庭でも必ずいつかは行うのが 『御葬儀』 です。
その時になって何も知らない、何も心構えがないと慌てたり、
また周りに迷惑をかけたりしがちです。
生を真剣に考えるという事は 「死」 を考えるという事にも通じるものです。
喪主の決定
遺族を代表して葬儀を執り行い、故人にかわって弔問のあいさつを受ける人を「喪主」といいます。
喪主は遺族、近親者が相談して早く決めます。
従来は、祭祀継承者である故人の長男が喪主になりましたが、今日では妻でも親でも喪主を務めるようになりました。
● 喪主の決定
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- 普通は故人と最も近い血縁の人がなる事が多いようです。
- 夫婦のいずれか一方が死亡した場合にはその配偶者、配偶者がすでに死亡している場合は長男、又は、二男がなります。
- 子どもがいない時には、父親か母親がなります。
- 以上がいない時には、兄弟姉妹がなります。
- 故人が生前に指名していた場合はそれに従います。
- 故人が次男や三男、あるいは嫁いだ娘の家に同居していた場合、その家で葬儀を行う事になれば、その家の筆頭者が喪主になる事もあります。
- 別居している二男の社会的地位が高くて、この二男関係の会葬者が多い時には、二男が喪主を務める場合もあります。
- 以上がいない時には、兄弟姉妹がなります。
- ※ 配偶者や長男が喪主となる原則であっても、その人たちが高齢であったり、病身であったり幼少である場合などは、避けることがあります。
もし未成年の子が喪主になる場合は、伯父などが後見人となって、喪主の代理をする事になります。
また葬儀に喪主を務めた人が、引きつづきその後の仏事を主催するケースが多いようです。
喪主を選ぶ場合はこの事情をふまえて決める必要があります。
世話役
葬儀式を中心に適切に滞りなく実施していくためには、多くの方々の協力が必要です。
そのためには、喪家側でお手伝いされる方の役割分担を決めていただくことが大切です。
葬儀を円滑に進めるために以下の係が必要でしょう。
● 受付係
- 会葬者の氏名を記録し、香典を保管・集計する係。
- 芳名録・筆記用具・香典受け・名刺受けなどを配置します。
- 会葬者にお渡しする会葬礼状と会葬御礼品の数の確認をします。
- 供花・供物が届けられたら、直ちに式場にお供えしていただきます。
- 弔電が届いたら、司会者まで届けていただきます。
- 香典は「ご丁寧にありがとうございます」と返礼していただきます。
香典袋の表書きを確認し、姓だけであれば名前を記入していただきます。
- 会葬者に会葬御礼品をお渡しします。
香典が連名の場合には、人数分をお渡しします。
- 供花代などをお頂かりした場合は、香典とは別に記録して保管します。
- 葬儀終了後、芳名録・名刺・香典袋の整理をし、残った会葬御礼品をまとめます。
その後、喪主または世話役にお渡しします。
● 車両係
- 車両係は車で来られた方の車の整理と案内が主な役割です。
- 駐車場への誘導、駐車場内整理、ハイヤー整理誘導を行います。
- 会葬者が車で来られたら、駐車場ヘ誘導していただきます。
- 車は順番に駐車していただくようお願いします。
- 弔電が届いたら、司会者まで届けていただきます。
- 自分の車で火葬場まで同行される方には、車を出しやすいところに駐車していただきます。
- 駐車場が一杯になったときは、交通の邪魔にならないところに止めていただきます。
場合により「葬儀・駐車のお願い」の用紙を車に貼ります。
- 万一苦情があった場合は速やかに対応し、責任者に報告していただきます。
- 霊柩車やハイヤーの駐車位置をあらかじめ確保していただきます。
- 葬儀終了後、火葬場へ同行される方がスムーズに乗車できるよう協力していただきます。
● 炊事・接待係
- 会葬者・僧侶等の飲食の準備や接待をします。
<準備・通夜>
- 台所から不必要な物を片付け、作業しやすくしていただきます。
- お茶、お菓子、やかん、急須、湯呑みなどを用意していただきます。
- 僧侶、弔問客の座布団を確認していただきます。
- 手荷物の保管と整理をしていただきます。
- ご家族・ご親戚の方の着付けの手伝いをしていただきます。
- 弔問客が来られたら、茶菓子で接待していただきます。
会場が混んできたり、読経が始まる前には下げます。
- 僧侶が着かれたら、別室があれば茶菓子でもてなしていただき、読経終了後も、茶菓子・おしぼりを準備していただきます。
- 別室で通夜のもてなしの準備をしていただきます。
- 半数の人が帰られたら、タイミングを見て後片付けをしていただきます。
- <葬儀当日>
- 炊事を担当される方はエプロンを準備していただきます。
- 接待を担当される方は、礼服を準備していただきます。
- 弔問客の下足を整理していただきます。
- 僧侶や来賓の茶菓子の接待をしていただきます。
(開式30分前に湯呑みを下げる)
- 出棺後、関係者の方に弁当をお配りいただきます。
- 会場の入り口に清めの塩、手洗いの水、タオルの用意をしていただきます。
- 後飾壇に供える果物などを準備していただきます。
- 精進料理の用意をしていただきます。
● 写真係
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- 撮影箇所の確認をしていただきます。
(例=式場内部・式場外部)
- 写真撮影は記録用の写真とスナップ用の写真に大別されます。
- 混雑する前に、祭壇など記録用の写真を撮影していただきます。
- 供花・供物も記録として撮っておきます。
● 留守係
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- ご遺族出発に先立ち、喪主・世話役もしくはご遺族の方との打ち合わせをします。
・自宅訪問者への応対と式場へのご案内
・自宅での弔電及び香典の受取り
・中陰壇の設置
・緊急時の連絡方法
- 霊柩車が出発しましたら、部屋を清掃していただきます。
- いつでも焼香できるように準備をしていただきます。
- 式場へ行く前に挨拶に来られる方や、式場が分からず自宅に来られる方、あるいは会葬者から香典をお預かりした場合は、必ず保管していただきます。
- 自宅に弔電が届けられたら、預かっていただきます。
お手伝いの心得
お手伝いをはじめる前にまず遺族の方や世話役の方に挨拶をし、 指示を仰ぎます。自分が担当となった役割は最後まで責任をもって お手伝いしましょう。
● 受付係
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開式30分前には服装を整え、持ち場に付きます。
あらかじめ焼香を済ませておく場合もあります。受付に立ったら、香典帳、芳名録、筆記具、名刺受けなどの必要な用具を点検し、粗供養品、礼状の数も確認しておきます。
受付の手順はあらかじめ打ち合わせ、失礼のないようにしましょう。
名前の記載されていない香典はお尋ねして 記入しておきます。
受付終了後、袋に書かれた金額と中身を確認し、責任をもって遺族の方に渡します。
● 接待係
- 開式30分前くらいには持ち場に付くようにします。
接待係は弔問客への湯茶のサービス、僧侶の接待のほかできれば着替えの手伝いもしてあげましょう。
遺族、近親者、世話係などの方々の食事の用意もします。
その他場合によって、以下の係が必要なこともあります。
弔電の整理、下足の整理、会場の後かたづけ、駐車場の整理、タクシーの手配などさまざまな役割がございます。
限られた時間内で行う儀式です。気がついたことを率先して行うようにいたしましょう。